みずの備忘録

どこかの国公立大の理学部生。ジオがすき。いきものも好き。

あなたは将来何がやりたいの??

博物館の先生に言われた。

「この業界くるなら相当の覚悟必要。あと、地質と骨の知識がない学生は取らないから。」

何となくそう言われるという想像はしていたが、やはりきついものがあった。

 

ほんとに化石についてやりたいのか思い悩んだ。

先生に以前、本気でやりたいなら地学科のある理学部に編入すべきと言われた。でも、私は編入を諦めた。病気のこと、学校の課題と並行して編入の勉強をするのはきついこと、自分の学力や体力や精神力を鑑みて成功する可能性は低いこと、そこまでやる勇気がないこと、なんやかんや今の大学に1年もいたら愛着が湧いてしまったこと、色んな理由がある。

そもそも、私の興味は「生き物進化や形態の変遷」なので別に古生物に拘る必要はなく、現生の生き物でも構わない。

また、この業界に骨を埋める覚悟あるのかは正直分からない。古生物の研究者になってやる!みたいな思いもそんなに無い。なれたらいいなあくらいの気持ちである。

私のTwitterのフォロー層が博物館や大学の先生だったり、大学院生だったりする所為もあるが、やはりそういう人々を見ていて自分の学力の足りなさや熱意の弱さを感じることはある。

その意味では、自分の学問に対する本気度は低いのかもしれない。

 

親友にこのことを話した。

間違いや課題点などをハッキリ言う人なので話すには適任だと思った。驚いたことに

「自分から教授とか偉い人に連絡とったり、独学や輪読ってなかなかできることじゃないと思う。俺だってやりたいって言いながらも、実はどうでもよくてやってないことなんていっぱいある。自分から動いてるってことは本気なんじゃないかな」「お前見直したよ。ほんとにその分野が好きなんだな。もうアイデンティティじゃん。できる限り応援したい」と言ってくれた。

 

アイデンティティ

 

そうなのかもしれない。

 

私はその他に、将来やりたいことや目標や大事なものは特にない。特段結婚・恋愛願望もない。お金は勿論あった方がいいが、生活できるレベルで充分だ。他にやりたい仕事がある訳でもないし、欲しいものもない。やりたいこともない。

このまま諦めて今の大学卒業して就職しても、多分自分にあまり合う気がしないし、心が死んでくだけのような気がする。

 

生きたい理由がない、と言えばメンヘラになってしまうが実際そのような感じである。

希死念慮が酷いだけかもしれないのは否めないが、このまま大学出て、趣味も職業もとりわけやりたいことないのに働いて、死んでいくんだろうな、と思うと絶望的な気持ちになる。そうなるくらいならさっさと死にたいと思う。

 

裏を返せば、今唯一自分が前向きにやりたいと思えるのはこの分野しかないのだ。それがアイデンティティになっているのは脆いかもしれないけど、でも今諦めたら絶対後悔する気がする。それこそ一生逃げた自分を呪い続けると思う。

 

 

親友に言われた。「今の日本だったら生活の心配そこまでないから。特に一人暮らしなら。時給900円で週40時間働いたら月14万稼げる。なんとかなる。それに大抵何とかなるから。」

それもそうだなあ。

 

諦めるつもりはない。余計そう思った。ただ、やっていけるか、挫折した時どうなるか怖い。

 

 

 

 

美味しい進化 食べ物と人類はどう進化してきたか

大学図書館の、教員お薦め本に置いてあったのがこの本当の出会いです。因みに教員お薦め本ですが、この本をお薦めしてる先生はK学部の方でした。理学部じゃないの…。理学部教員お勧め本はイマイチしっくり来なかったです。転学部した方が良かったかな?(嘘)

とにかくそれくらいにハマった本なので、春休み挟んでいたとはいえ2ヶ月以上借りてました。そろそろ怒られそう。

 

 

この本は、題名の通り食べ物の観点から進化について述べている本。最初の導入の章と最後のまとめの章以外は、食べ物の名前が章になっていた。「肉」「チーズ」 「パン」「野菜」「スープ」「デザート」など。

今回は「パン」「肉」「チーズ」「デザート」の章から、気になった部分を抜粋・まとめた。まずパンの章(コムギ)から

 

コムギ

農業のおこり

農業は「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる中東地域で始まったと言われている。

そこには今も、野生のヒトツブコムギ(最古の栽培化されたコムギ)が食べるのには困らないほど多く生えている。

そこで、植物学者のジャック・ハーランが古代に使われていた刃の複製品で1時間野生のヒトツブコムギを穫ったところ、その半分は穂が落ちてしまったが手元に残ったものだけでも大量に収穫できた。ハーランの計算によると、ある一家が野生のヒトツブコムギを収穫すると、3週間で1年分の穀物を集められるという。

 

ここでひとつの疑問が浮かぶ。そんなに大量に収穫できるなら、なぜ栽培する必要があったのだろうか?農業はなぜ起こったのだろうか?

実際遺跡からは栽培化されたコムギの穀粒が発見されているのだ。

 

この答えとして、暫くは野生のコムギで生活できていたが、やはり人口が増えると体系的な栽培化が必要になったと考えられる。

また、最古の野生のヒトツブコムギの穀粒が遺跡で発見されてから、栽培化されたコムギの穀粒が見つかるまでは何千年か空白がある。

これは裏を返せば、差し迫って栽培化を行う必要が出てくるまで何千年もかかったとも言える。

因みに、野生種と違い栽培化された作物は

・落ちにくい穂

・粒が大きい

・種子の休眠性の増大

などの特徴がある。

栽培化のサインは穂にギザギザの切れ目があることである。(落ちにくい穂がふえた )

この特徴から、遺跡で発見された穀粒は野生のコムギか栽培化されたコムギかどうかを判断する。

 

※ジャック・ハーランについては以下。

https://jcmswordp.wordpress.com/2018/01/14/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%AD%A6%E3%80%81%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6%E3%81%8B%E3%82%89%E3%

 

進化を逆戻りしたライ麦

ライ麦は1960年代まで広く栽培されていたが、その後需要が減り、ほかの畑に雑草として生え始めた。

⇒これは実は進化を逆戻りして野生化していたのだ。

ヒトが栽培管理している時は、ヒトは刈り取った際に種子が落ちにくいものを選択していたのでそんなことはおこらなかった。しかし、ヒトがライ麦を放置し始めると、そのうち種子が落ちる遺伝子を持ったものが出来た。それは雑草が広がるのに有利なのでライ麦の遺伝子に行き渡ったのだ。

 

α‬アミラーゼ

アミラーゼはデンプンを消化する酵素である。

高デンプン食を食べる集団(日本人やヨーロッパ系アメリカ人)などは低でんぷん食のグループより‪α‬アミラーゼ遺伝子の数が多い。

また狼から家畜化された犬もデンプンの消化に影響する3個の遺伝子が変化していた 変化のひとつとして、アミラーゼ酵素を供給する遺伝子のコピー数が増えている。

これはヒトと暮らすうちに、ヒトからのおこぼれを効率よく摂取するために生まれた変化だと考えられている。

 

匂いについて

嗅覚需要細胞は鼻腔内の小さな一部分の粘膜に分布しており、ふたつの方向から入ってくる匂いに晒される。

・オルソネイザル(前鼻腔)経路

息を吸ったりなにかの匂いを嗅ぐときに使う

・レトロネイザル(後鼻腔)経路

鼻道と喉の奥を繋ぐ通路。食べ物を食べる時に出る揮発性化合物を感知。いわゆる風味。

である。

また、人の嗅覚受容体遺伝子はたった400個(象は2000)だが、脳内で反応した受容体の組み合わせや感知した分子の量により1兆以上の匂いを感知できるという。

おお!何だか4種の塩基から多様なタンパク質が生まれているのと似ているなあ。

 

サナダムシと肉食の関係

人に感染するサナダムシは3種類ある。

・牛から感染する無鉤条虫

・ブタから感染するアジア条虫と有鉤条虫。

 

私たちは、幼虫を含む肉を食べることでサナダムシに感染する。

(以下、東京都のサナダムシの食品衛生に関するページ)

無鉤条虫|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局

有鉤条虫|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局

よって元々は、農業が始まった1万年ほど前にサナダムシの感染が始まったと考えられた。

しかし、実は数百万年にわたっていたのだ。

 

無鉤条虫とアジア条虫は、アフリカでライオンとレイヨウ間を行き来して感染しているサナダムシの1種と共通祖先を持つ。

また、有鉤条虫はハイエナの体内で見つかるサナダムシと、同じ祖先を持つ。

このことより、私たちの祖先は、ライオンやハイエナの獲物を横取りしたものだった可能性があるのだ。なので私たちがブタやウシを家畜化した時、彼らがサナダムシに感染していたのではなく、私たちが彼らに感染させたようだ。

また、驚くべきことに有鉤条虫は料理に対する耐性を進化させてきたようである。熱ショックタンパク質を作るタンパク質が多い。

 

家畜化症候群

ダーウィンの指摘によると、野生動物と比べて家畜は

・繁殖のパターンが季節と関係ない

・全身のあちこちで毛色が欠けてぶち模様になっている場合が多い

・垂れ耳で鼻面が短く、歯が小さく、脳が小さく、尾がまきあがっている

・行動が幼く従順である

という特徴があるという。

イヌ、ブタ、ウサギやテンジクネズミといったあらゆる種類の全く無関係な家畜でもこのような一連の形質を持つ。

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従って、これら全ての形質を結びつけるような共通の遺伝的要因が潜んでいて、従順さなどの人為的選択が被毛の色の形質など全てに影響を及ぼすのか? と思われていた。

そこで1950年代、ドミトリー・ベリャーエフという育種家によるギンギツネの実験が行われた。

ギンギツネを飼育したところ、一代目は実験者が餌をやる度に殆どの狐が恐怖や攻撃性をしめした。その中から恐怖や攻撃性の表れが少なかったキツネを使って交配を繰り返した。50年後、30世代以上が経った頃にはグループ全体がイヌのように人間に懐き、家畜化症候群の解剖学的性質と生理学的性質を示した。

つまり、従順な行動を求めて選択すると、家畜化症候群が生じるのだ。

 

最古のデザート〜ハチミツ〜

オランウータンとチンパンジーは、蜂の巣を枝で探って蜂蜜とハチの幼虫を食べている。類縁の大型類人猿が食べているので、蜂蜜はヒトとチンパンジーなどの祖先が別れる前から、蜂蜜はヒト族の食事の一部だったと考えられている。

蜂蜜を食べる習慣があったことを示す直接的な証拠は、旧石器時代の壁画の大型動物の群れが走る絵と共に描かれたミツバチ・ハチの巣そして蜂蜜採集用のはしごの絵である。 また、現代の狩猟採集民の食事をみると、この生活形態にとって蜂蜜が重要であることが分かる。

 

タンザニアのハッツア族は、食事のカロリーの15%を蜂蜜から摂っている。ハッツア族を含めたアフリカの狩猟採集民は、ミツバチの巣を見つける際、ミツオシエという鳥との共生関係に助けられている。

(以下、ナショナルジオグラフィックのニュースとその画像)

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野鳥と人が蜂蜜めぐり「共生」、科学的に解明 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 

ミツオシエの餌は昆虫で、ハチの幼虫やミツロウを食べる。ミツオシエは自分でミツバチの巣の内部には入れないが、人間の力を借りる。ハッツア族の野営地に飛び、特徴的な鳴き声を発すると、人々は「ついてこい」という合図だとわかる。そして人々はミツバチの巣を見つけると、燃え木を使い、煙でハチを大人しくさせて斧で巣を木の幹からくり抜く。 更にハッツア族は、自分から合図の声を出してミツオシエを呼ぶこともある。

ミツオシエについて行くことで、ハッツア族のハンターは、そうでない時の5分の1未満の時間でハチの巣を見つけることができ、その上ミツオシエの見つける巣は、ハンターが見つけるより立派なものである。

ミツオシエと人間の関係はいつからあるかは定かではないが、ホモ・サピエンスより、古い可能性も十分にあるのだ。

 

チーズ

チーズはマイクロバイオーム

チーズのマイクロバイオーム(チーズは、何十種もの最近や真菌から作られた微小な生態系だ、という意味ではここでは「マイクロバイオーム」という)を調べると、新種が見つかったり、起源が奇妙な微生物が見つかることがある。

例えば、多くのウォッシュチーズの皮の中には、海洋環境の細菌が棲んでいるのが見つかっている。この細菌はチーズを加工する際に使われた塩の中に潜んでいて、海から乳製品に飛び込んできたのかもしれない。

また、モッツァレラチーズとヨーグルトを作るのに使われているのが、ストレプトコックス・テルモフィルスという乳酸菌である。この無害な細菌の祖先は病原菌で、レンサ球菌性咽頭炎や肺炎を起こす菌と共通祖先から進化した。乳の中に棲む為の適応プロセスで、無毒化されたようだ。

また、ソフトチーズに生えるカビのペニキリウム・カメンベルティは他のどこにでも見つかったことの無い新種である。

これと対照的に、ロックフォールチーズの青い静脈模様を作るペニキリウム・ロケフォルティは、サイレージ、ブリオッシュ、とろ火で煮込んだ果物、材木、いちごのソルベの中、冷蔵庫の内壁の表面など至る所で発見されている。

このように、チーズには多種多様な細菌が住んでいるのだ。

穴あきチーズ!?

ネズミ=チーズが好き、というイメージを抱く人は多いかと思う。だが実際、チーズをネズミに与えても好んで食べない。

実はネズミがチーズ好きというイメージは「トムとジェリー」から来たものらしい。

また、このアニメの中には穴あきチーズが出てくる。チーズと言われたら穴の空いたチーズを想像する人も多いだろう。

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このチーズ、実在していてエメンタールチーズと言う。また、この「穴」は「チーズアイ」と呼ばれている。

では、どのようにしてチーズアイは出来るのだろうか?以前はチーズを作る際に出てくる炭酸ガスによる気泡だと思われていた。

しかし実は、牛乳を絞る際に混入する干草の微粒子によるものだという。最近は衛生管理が向上し、穴が昔ほど見られなくなったため、わざと干草の粒子を混入する業者も現れるかもしれない。衛生管理を向上させたところ、トレードマークの穴が出現しなくなってしまったとは皮肉な話だ……。

 

続・ジオパーク紀行1

新しく始めたバイトの交通費支給が300円なのに対して、今の仮住まいの家からバ先までの交通費が往復1400近くかかることと、

青春18切符が2回余っていたので、

思い立って1泊2日の旅行に行って旅行帰りにバイトに行くことにした。

 

今回はそのお話。

 

せっかく泊まるなら、

・遠くにある行ったことがないところ

・桜の時期なので桜が綺麗なところ

・ジオいところ

ということで山陰海岸に行くことにした。

書きかけのブログにあるように、半年前は山陰海岸ジオパーク兵庫県の一部にだけ行った。なので今回は、鳥取砂丘に行こうと思い立った。

 

一日目は鳥取、二日目に城崎温泉に行くと決めるまで長い時間はかからなかった。

城崎温泉に行こうと思ったのは、半月前城崎温泉まで写真撮りに行った部活の同期が

「空いててお風呂が貸切状態」

「桜の時期ならよかったかも」

と言ってたのを思い出したからだ。

 

鳥取砂丘やら温泉やら有名どころは行くとして、他に何があるのか分からないし、ひとつの場所に何時間くらい滞在すれば観光できるのかも考えるのが大変だったので、砂丘までの電車とバスだけ調べ、

(早く起きれたら行ってやろう、行き当たりばったりでも何とかなるだろ)と心に決め寝た。

 

次の日。ちゃんと起きれたのでホテルの予約をした。目的のひとつが桜を撮ることだったので、桜がある場所に近いホテルを探した。当日予約ということもあり、選べるホテルも少なかった。結局鳥取シティホテルという所にした。目の前の川に桜が植わっているらしい。部屋は喫煙室1つしか空いていなかったが、まあ、一晩だけだしいいや、とここで決めた。

 

そのまますぐに家を出て電車を乗り継ぎ、上郡駅へ。青春18切符の対象外だが、存在が気になっていたので智頭急行に乗り鳥取に。始点から終点まで大人1200円。それなりに高いけど、山陽から山陰へ山の中突っ切る電車だし建設もラクではなかったろう、それにこういう地方路線には消えて欲しくないと思ったら妥当だろうか。何気にご当地ピンズも買ってしまった。快く送り出してくれた父へのお土産である。f:id:mizu_rainforest:20210501030817j:image
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上郡から鳥取まで約2時間。特段面白い景色がある訳でもないが、古そうな家やお墓も見えたりして、何やかんや昔からこんな奥にも人はいるんだなあ、とぼんやり考えていた。

途中、恋山形駅という駅が。駅名から恋愛成就と結びつけたらしい、駅舎全体がピンク色で可愛らしい駅だった。恋人がいる人は、行ったら楽しいと思う。

 

そうこうしているうちに鳥取駅へ。驚いたのは、鳥取駅は多分鳥取で1番大きい駅だとは思うのだが、自動改札がなく、駅員さんに切符を見せる方式だった。(勿論交通系ICカードは使えない)

また、駅前を軽く散策したが、駅前でもお店は少ない印象。駅北側には駅を中心に放射状に近い形で幾つか商店街があったが空いてるお店は少なく、あまり賑わってる様子はなかった。

20分ほど散策してからバスに乗り、今回1番の目的鳥取砂丘に向かう。20分ほどで砂丘に着いた。(続く)

 

 

私の嫁 〜嫁の手料理〜

 

私には中高時代からの親友がいる。名前を「嫁」という。

勿論嫁というのは本名では無いが、私は親しみと尊敬、憧憬の念を込めて彼女のことを嫁と読んでいる。

 

嫁との馴れ初めを書くと長くなってしまうので、また次の機会に書こう。

今回書きたいのは、嫁と遊んだ話である。嬉し過ぎて記憶に留めて置きたいので、ここに記しておく。

 

2021.2.24

この日、私の前々からの『海辺で夕日の写真撮りたい』という希望で、某浜辺とその近くにあるショッピングセンターに行った。

 

電車に揺られること1時間半、某駅に降り立ち、その浜辺まで歩く。

海辺ということもあるのだろうが、風が強く寒い日だった。

浜辺をうろつき、積もる話をし、1時間ほど経ったあとご飯を食べることになった。

 

嫁『前回のリベンジ(※1)をしたくて、』

 

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カバンから出てくる、

やかん、マッチ、カップスープ、お茶パック、きのこの形をしたロウソク、天然水、シングルバーナー……

 

小さいカバンに入っていたとは思えないほどの、いろんな物が出てくる。

 

嫁「どうしてもリベンジをしたくて持ってきてしまった。家で昨日ちゃんと火がつくか試してきたので多分大丈夫!!」

 

やかんに水を入れ、強い風から火を守る事30分。

無事にお湯が沸いた!!そして沸く会場。夏のリベンジを果たせた。冷たい風の中で食べるレトルトリゾットは美味しかった😋

 

ご飯食べた後、近くのショッピングセンターをうろうろ。

嫁とお揃いのブラウスとスカートを買った…!!嬉しい😃

友達と服買うの初めてだし、しかも誰かとペアルック的なことをしたのも初めてなのでとても楽しい思い出となった。

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そして海辺で写真撮りまくった。嫁が可愛すぎて写真が捗った。もはや恋人的な写真ばかり撮って。私はもうデレデレしていた。

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そして日も沈み。嫁のお家で夕食をいただくことになった。嫁のお家に行くのも初めてだし、嫁のご家族に会うのも初めてだし、嫁のご家族に紹介してもらえるということはもう結婚も近いのかも知れない!!

 

そしてここで、衝撃を覚えた。

嫁のお母様のお料理がめちゃくちゃ美味しい。普段自分が、手抜きの自炊しかしてないせいもあるだろうが、クオリティ高すぎる。

 

メニュー

・ハムとキュウリの酢物

・卵と椎茸の中華スープ

牡蠣と春雨入りの春巻き

・付け合せのレタスとトマト

・エビチリ

・おこわ

嫁のお手製の牛乳プリンとチーズケーキ

 

中華なぞ、家で作るどころか親が作ってくださった経験もないので、感激した。しかも全てめちゃくちゃ美味しい。

そして1番驚いたのは春巻き。私の親は揚げ物作らないし、牡蠣も買わない。なのでとても驚いた。

それに実は、私は貝類はあまり好きではない…。ここ数年で多少食べられるようにはなったものの、貝類は嫌いなもののひとつだった。牡蠣も勿論嫌いだったし、貝類を食べられるようになってきた後も、食べる機会が殆どない且わざわざ食べたくない、という理由で食べなかった。

このような背景があったのだが、人の家に招かれてる身だし、流石に食べない訳にも行かないので春巻きを食べた。

 

……

…………

美味しい!

 

えっ、牡蠣めちゃくちゃ美味しくないですか!?

ここに来て苦手な食べ物がひとつ減った。春巻き美味しすぎるし、苦手な食べ物が減ったし、嫁のお母様には感謝しかない。

ありがとうございました!

 

そしてデザート。

なんと嫁、私が来るからと言って、2種類もデザートを用意してくれたらしい。

かわいい女の子が自分のためにデザートを作ってくれる経験なんて、めちゃくちゃ貴重じゃないですか!?? 

 

これまた美味しいんですよ。牛乳プリンなんか家で作った事ないし。いい感じにトロトロ柔らかくて。作るの難しいんだろうな。

チーズケーキ。ケーキなんか私作ったのは何年も前ですわよ?? しかも私が作るより美味しそう!

あー…かわいい女の子が私のために美味しいデザート作ってくれたという事実だけで私あと10年ほど生きていける気がします…よめぴすき…

 

嫁がいつ下宿先に来てもいいように私も料理頑張ろう!

 

 

 

 

(※1 半年前に、彼女の自作アルコールランプでお湯を沸かし、レトルトカレーを食べようとしたのだが、上手いことお湯が湧かなかったのだ)

ご飯を炊きすぎた話

2月11日昼

お米と古くなりかけた菜の花を消費したかったので、ツナと菜の花の炊き込みご飯を作った。

 

材料:

菜の花

ツナ1缶

ご飯2合

醤油 大さじ3

料理酒 大さじ1

だしの素 少々

 

夜ご飯として、炊き込みご飯をお茶碗2杯ほど食べた。美味しかった!

 

2月12日

この日は昼から写真部の部活の同期と顔合わせ&昼ごはん&写真撮影会の予定。

緊張のためか食欲はわかず、余った菜の花でバターソテーを作ってかき込み

 炊き込みご飯を口をつけずに冷蔵庫にぶち込む。

撮影会が終わって家に帰ってもお腹空かなかったのでご飯はそのまま放置。

 

2月13日

この日も友人と文学館に行く予定。お腹空いてなかったし、なんやかんや出かける準備をしてたためこの日も何も食べず。

余ってる炊き込みご飯食べなきゃヤバい……!!といいながらも、夜ご飯はその人と一緒に外食。

なんやかんやそのまま友人を家に泊めた。

 

2月14日

友人と昼まで家でゴロゴロして、友達が帰るまで何も口にしなかった。

友人帰ったあとも、食欲無かったし眠かったのでゴロゴロしてた。夜になって漸くオレオを食べた。もう、炊き込みご飯がどうなってるかなんて考えたくなかった。

 

2月15日朝

流石に炊き込みご飯と向き合わなきゃいけない気がして、久しぶりに冷蔵庫をあける。

お茶碗にご飯をよそってレンチンする。

 

……味は美味しい。けど、表面が固い。

うん、、頑張って食べよう……

 

そして夜。

昨夜食べかけだったオレオを食べる。ご飯これで終わらせたかった。

しかしもうすぐ帰省するのにも関わらず、炊き込みご飯を含めて冷蔵庫で使われるのを待っている食材があるのを思い出し、恐る恐る冷蔵庫をあける。

11日に買ったおでんセット、傷みかけのキャベツ、はんぺん、ちくわぶが出てきた。しかも賞味期限14日の。ああ、やらかした……

ひとまず全て鍋にぶち込む。現在深夜0時。

おでんは美味しかった。炊き込みご飯に関しては見ないふりをした。そして薬を飲み、寝た。

 

現在:2月16日 昼

炊き込みご飯を片付けなきゃ行けない。私は明日には帰省しなきゃならんのだ。

ひとまずお茶碗によそい、レンチンする。

味は美味しい。特にツナが。決してお米ではない。ツナが美味しい。そしてこの前食べた時よりもさらに固くなってる気がする。

昨夜つくったおでんを流し込む。おでん美味しい。おでんに勇気を貰いもう一口炊き込みご飯を食べる。

ダメだ。俺は弱い人間だ。コタツに潜り込み、ブログを書きはじめてしまった。夜ご飯を食べたくなった俺がまた炊き込みご飯を片付けてくれると信じて……。

屍者の帝国〜伊藤計劃×円城塔〜

今回読んだのは屍者の帝国伊藤計劃の本は高校の時からずっと読みたいと思っていたので、今回漸くその願いが叶った形だ。

 

文庫本サイズで500ページを超えており、テーマも中々難しかった。

まず舞台設定は1800年代後半。歴史改変SFや、時代小説という分類でよいのだろうか。

屍者復活の技術が全欧に普及しており、屍者は所謂ロボットのように産業のあちこちで使われている。物の生産から兵士まで、生活に浸透している。屍者と生者の違いはなんと言っても意志(魂)を持つかどうかの違いだ。屍者は命令通りに動くのみだ。

また、屍者化が出来るのは人間の死体だけで動物には出来ない。それは動物には魂がないからとされている。

なるほど、わかるようなわからないような。

 

主人公は医学生のワトソン。優等生の彼は屍者化技術についての研究をしている教授に目をつけられ、大英帝国の諜報員となってアフガニスタンにわたり、屍者の帝国を作ろうとしている人物であるカラマーゾフと会う。そしてワトソンは、彼から最初の屍者である「ザ・ワン」とザ・ワンを生み出したフランケンシュタインが書いたとされる「ヴィクターの手記」を探すよう依頼を受け世界を駆け回る。ザ・ワンがほかの屍者とは違うのは人間と同様に意識や意志を持つことである。そのザ・ワンとはどういう存在なのか、何が目的なのか、そして人間とは?私とは?

というのがざっくりした物語の概要である。

 

死者と生者の違いは何か、生命とはなにか、私は誰か、意識とは何か……そんなことを深く考えさせられた。

 

とりわけ心に残った言葉を書き残そう。

「鶏は卵が卵を産む手段にすぎない」

「生命とは、性行為によって感染する致死性の病」

「辞書は辞書自体で意味を持つかね。ただの循環があるだけだ。ある言葉がほかの言葉を定義し、その言葉は別の言葉を定義している。辞書という世界の中では、本質から切り離された循環が永遠に空疎に回り続ける。人間が魂と呼ぶのはその循環の中の流れ、存在の大いなる循環だ。起源は原理的には存在しない。鶏が卵を産む。卵が鶏を産む。原初の卵は存在したことがなく、宇宙の開闢(かいびゃく)を告げた鶏はいない。」

 

「鶏が先か、卵が先か」や「私が蝶になった夢を見ているのか、それとも蝶が私になった夢をみているのか」

有名なこれらの言葉は私が好きな言葉の一部だが、この本を読むうちにふとこれらの言葉も思い出された。

 

1番心に残ったのは、ワトソンがザ・ワンを見つけてザ・ワンが屍者とは何か、人間とは、意識とは何かについて語るシーンである。

 

ザ・ワンは屍者の研究をしていて、自分と同じような存在の花嫁を作る事を目的のようだった。(というのも、ザ・ワンの消息は最後不明になり、その目的も本の中では明確に語られていないのだ)

ザ・ワン曰く私たちの意識を形作っているのは体内に住む菌核だと推測している。菌核の意志によって私たちは行動してるとも。動物が屍者化を受け付けないのは、単にこの菌核が動物に対してなんの影響も与えないからだと。

一方、最初ワトソンを諜報員にした教授の一人はそれを菌核ではなく言葉だと語っているので、どちらが正しいのか本の中でも分からないが、個人的には菌核説を面白いと思ったので、ここでは菌核説を前提で書く。

ザ・ワンが屍者を操れる(途中屍者を操りワトソン達を攻撃するシーンがあった)のも、屍者の言語、否、正確には菌核の言語を理解しているからと語る。

通常、菌核は人間が死ぬと共に死に、意志を持たない死者となるが、屍者化技術を受けて屍者の中で生き続けるようになれたという。菌核は宿主が死んでも生き続け、屍者を増やそうとする「拡大派」とこれまでのように宿主が死んだら自身も共に死ぬという「保守派」、そしてその他多様な考えの菌核があると言う。

拡大派がもし多数派になれば、生者の中の菌核の拡大派が生者を乗っ取り、生者を「屍者化」することになるだろう、とザ・ワンは語る。もしそうなれば、誰もが同じような思考・行動をする屍者の帝国になると。争いは決して生まれないと。しかしそんなものは人間にとっても良くないし、菌核にとっても良くないだろうとも。

そしてザ・ワンはワトソン達の目の前で菌核の「拡大派」との対話を試みるのだ。

 

読み終えた時の感情を上手く言語化出来ないが、どこか悲しいのにとても感動した。この時の感情はどうしても憶えておきたいものだ。

Catching fire ~How cooking made us human~

※ I wote about the book in Japanese before. This version is English and what I wrote is same as the Japanese version.

mizu-rainforest.hatenablog.jp

火の賜物―ヒトは料理で進化した

火の賜物―ヒトは料理で進化した

This book is memorable for me because the book made me be interested in evolution and bones.

The first time I read it was because I happened to find it in the library when I was at three years in my junior high school and picked it up. After that, I used to borrow it from the library again and again. Now, I had a fateful encounter the other day and I have this book.

In other words, one professor in other campus who researches about geomagetism gave me the book. When I said , ’’Ohhhh,This book influenced me a lot!'’ he replayed ,‘’Then I'll give it for you. I read the book for writing thesis but I don't need it anymore.'’

As the title suggests, it's about how cooking with fire affected our ancestors, and for that matter, how cooking made us human.

What was interesting to me personally was that cooking has a great influence on a wide range of things such as our skeleton, digestive organs, and brain volume.

For example, by softening food by cooking, the time spent on chewing can be reduced and the time can be spent on other activities.

As you read it, it's fun to see how cooking has evolved into humankind.

どういうことかというと、ご縁があって教授から、地学関係の本や標本をいただくことになったのだが、そのとき先生が見せて下さった蔵書のなかにこの本があったのだ。ありがたいし、運命的な出会いだなと勝手に思っている。その教授からいただいた本は面白そうなものが多いし、読み進めたらまたここに書いていこうと思う。