みずの備忘録

どこかの国公立大の理学部生。ジオがすき。いきものも好き。

ジョジョの奇妙な冒険 第7巻

サンタナと出会ったジョセフ(以下ジョジョ)。

ハロォ〜

ご機嫌いかが〜〜〜?

ハッピー うれピー よろピくねーー

と探りを入れる。

しかしサンタナは友好的な姿勢を見せるどころか無視をする。

ジョジョはムッときて転ばせようとする。しかしサンタナはその足をヌルッと超えてゆく。そして落ちていた銃を手に取り、

見たことない道具だ、と言いながら銃を分解する。知能が凄い。

ジョジョサンタナの頭をつつく。するとサンタナの怒りに触れたのか、肋骨を自由自在に伸ばし、ジョジョを攻撃する。

(技の名前はリブス・ブレード 別名、露骨な肋骨と紹介されている)

波紋を使って逃げるジョジョサンタナ

おれの……体……に……吸収……されず……はじき……飛んだ

さっき……触れた……脚も……無事のようだ こんな人間……は初めて……出会う……

と訝しむ。

ジョジョは波紋を使って倒そうとするが、波紋が効かない。ストレィツォのマフラーと同じようにサンタナの皮膚はアースになっているようだ。波紋は床に流れた血に反応していた。

波紋が効かない、どうすればいいんだ?というジョジョスピードワゴン

ジョジョ!おまえの波紋はそいつにきいてないわけではないッ

だからこそ 触れたにもかかわらず 喰われずにすんでいるのだッ!

波紋がおまえの体をガードしているのだッ!

と助言する。

ジョジョはナイフを突き刺してそのまま波紋を送ろうとしたがサンタナの体はゴムのようになっていて効かない。

サンタナは異様な方向に曲がる関節で、ジョジョの腹に蹴りを入れ、ジョジョは気絶してしまう。サンタナはそんなジョジョを取り込もうとする。

スピードワゴンは波紋の呼吸をしてくれ!と絶叫する。そして、このピンチに屋敷ごと爆破しようとしたシュトロハイムに、声が聞こえる。

 

山を賭けたんだぜシュトロハイム

皮膚もだめ……

眼ん玉もだめ……

表からがだめなら内部からだ!

一か八か賭けたぜ!

喰う時ならじかに波紋が流せると思ってな!

この取り込む時を待っていたのよ

気絶したふりは作戦なのよー

完璧だぜーッ!

と波紋を送り込む。

サンタナの体は真っ二つと細切れの欠片となる。体内に入ってジョジョサンタナの消化吸収の仕組みを理解する。

それは、サンタナは細胞そのもので細胞一つ一つから消化液を出して相手の細胞を喰っていく、というものだった。

 

その間サンタナの体は肉片がくっついて元に戻ろうとしていた。でもジョジョは計算済み!サンタナの体に鎖を絡ませた!

シュトロハイムジョジョは聞く。サンタナも太陽の光に弱いのか、と。

シュトロハイム曰く、洞窟壁画の文字に

サンタナは太陽の光に弱く、それを克服するために石仮面を作ったという。

鎖の先端を引っ張り、太陽の光を浴びさせようと扉の方にサンタナを引っ張る。呼吸が乱れるジョジョサンタナも抵抗する。体から肉塊を放ってジョジョの足に纏わせた。(ミート・インベイド 別名、憎き肉片)

そのとき、扉までの階段を駆け上がる影が。なんとシュトロハイムだった。サンタナは体からひも状のものをだし、シュトロハイムの足を絡ませる。あと数センチのところで扉には届かず。シュトロハイムは言う。

俺の脚を切断しろッ!!

そうすればあの扉に手が届く!(中略)

祖国のためなら足の二本や三本かんたんにくれてやるわーッ!

男気が見られてかっこいいね、シュトロハイム!(感想)

そして扉を開けたシュトロハイム

しかし、サンタナシュトロハイムの傷口からシュトロハイムの体内に侵入し、生への執着を見せた。

シュトロハイムはいう。

こうなったらおれはもう助からん……

自分ごとこいつを吹っ飛ばす覚悟よ!

 

しかし死ぬ前におまえに言っておきたいことがある……(中略)

現在、我が軍はサンタナの他に"柱の男"をヨーロッパのある場所の地下から発見している……

つまりサンタナはひとりではないということだ!

我われドイツ軍は二千年周期で眠りにつく"柱の男"というせいめいたいの驚異的な能力の謎を追ってきた

近い将来奴らは目覚める

奴らの太陽以外の弱点をつかまぬ限り人類は滅びる!だから我が軍はこいつを実験し調査する必要があったのだーッ!!(中略)

ジョースター 貴様の波紋は弱すぎて奴らをたおせん!

ローマへ行け!ローマに行ってある人物に会うのだ!!その人物はスピードワゴンのよく知ってる人物……

 

人間の偉大さは━恐怖に耐える誇り高き姿にある━

ギリシアの史家プルタルコスの言葉だ

フフフ さらばだ いまいましいイギリス野郎……

と手榴弾で自爆する。

煙の先にいたのはサンタナ。井戸に飛び込もうとするが、ジョジョは呼吸を整え、波紋で拳をぶつけ合う。そのまま井戸に飛び込んだ2人だが、これはジョジョの戦略だった!

真昼の井戸の上からの光と、水面からの反射で両面焼きのハムエッグよ!とサンタナを追い詰める。サンタナは石化する。岩になったサンタナスピードワゴン財団が回収する。

 

スピードワゴン財団にて。そこでは実験がおこなわれていた。

紫外線照射下でヘビをサンタナの岩の元に出す。光をいやがりサンタナの影に入ったヘビは、なんとサンタナに吸収されてしまった。サンタナは死んだわけではなかったのだ……。

また、壁画の文字を解読する財団の研究者たち。それによると、他にも最低サンタナの仲間は4人、そして西暦1938年に目覚めると書いてあった。

 

ローマのレストランにて。イチャイチャしているカップルを見てジョジョはイラつく。ジョジョイカ墨入りスパゲティを男の顔に巻き付けようとする。

しかし、飛ばした麺は、彼が持っていたフォークについてるマカロニの中に刺さって止まる。そしてそのマカロニをジョジョの持ってるワイングラスに飛ばす。

その男も波紋法を使えるのだ!名前はシーザーツェペリというようだ。

 

場面は変わってツェペリ、ジョジョスピードワゴンの3人の会話。

ツェペリはイタリア人として祖父(第1部のツェペリ)の意思を引き継ぎ波紋法を受け継いだという。

また、レストランではジョジョ波紋法を試して見たがガッカリした、こんなヤツと組むのはごめんだぜッ!という。

ツェペリは挑発し、2人は戦う。

ツェペリ曰く、「柱の男」を倒す必殺技があるという。奥義波紋シャボンランチャーといい、シャボン玉でジョジョの体を包む。

やられた、と思ったジョジョだが、

女の子にキスをして波紋の魔術を解くと予想しており、女の子の口から鳩を飛ばしたのだ!

どんなに訓練されてても頭脳戦はジョジョが長けているんだなあ(感想)

 

一方ローマの地下では別の柱の男が目覚めていた。名前をワムウという……。そしてワムウは更に2人を目覚めさせる……

 

人間の会話を聞いていた3人の会話。

サンタナは紫外線照射装置に屈したこと、それはまさか二千年前に滅ぼしたはずの「波紋」の一族の仕業では?と話す。

そしてローマ皇帝が持つと言われて我らがこの地まで探し求めてきた「エイジャの赤石」はどこにあるのかわからない?

とも話す。

エイジャの赤石とは、物語の核心にせまる謎であり、3人が太陽を克服し究極の生物になるため求めるパワー源だと解説がはいる。

 

一方のジョジョ一行。

やってきたのはナチスのマルクという人物。来週彼女と結婚するという。(あーこれ、死ぬ伏線じゃん。)ドイツとイタリアは同盟国にあり、ナチスはツェペリの「波紋」を研究したがっているという協力関係にあるという。

そして「柱の男」の元に向かう一行たち。

しかし、いるはずの見張り番がいない。全員皮状態にされていた。そしてそこに現れる3人の究極生物たち。案内人のマルクがやられる。俺が片をつける!と飛び出すシーザーツェペリ。

ワムウの皮膚をシャボン玉で溶かすことに成功したが、ワムウも頭からワイヤー状の髪の毛?を伸ばして、その風圧でシャボン玉を破った!つまり波紋の原理を知っている……ということになる。

そして彼らはジョジョたちをものともせず、エイジャの赤石を探しに立ち去ろうとする。追いかけるツェペリだが、喉を攻撃され動けなくなる。(呼吸ができなくなる)

またしても立ち去ろうとするワムウたち。

そこに俺がいるのを忘れるなよ!とジョジョ

ジョジョは振り子を取り出し、名付けて「波紋クラッカーヴォレイ!」と言いながらその振り子(アメリカンクラッカーというらしい)に波紋を送り込み……頭に当たった。

練習不足だが見てろ!と、振り子を振り回し始める。

!?!? となってるワムウの顔で7巻は終わる。

 

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 第6巻

ストレイツォとスピードワゴンのシーン。

ストレイツォは言う。

「肉体を鍛錬するために「波紋法」の道に入った。」「だが、修行すればするほど自分の老いていく肉体がはっきりと分かる」「若返りたいと思った、他人を犠牲にしてでもなッ!」

と石仮面を被り、スピードワゴンは殺されてしまう。

 

場所は変わってニューヨーク。

どこかで見た事あるような若い目つきの鋭い男がこちらをみつめている。

その男は言う。「ジョジョ!お前の命を貰う「才能」が目覚めんうちにな」

ジョジョは涙を流しながら凛とした顔で「スピードワゴンじいさんのかたき!宣戦布告だぜ!!」と告げる。

ジョジョは機関銃でストレイツォに大量に弾丸を打ち込む。が、ストレイツォは体に刺さった弾丸をいとも簡単にはじき飛ばした。

ストレイツォはディオがジョジョの祖父を殺した、目から出る液体の光線を飛ばした……が、飛ばした先、それは鏡だった!

ジョジョ波紋法でやり返すが効かない。ストレイツォいわくそれは、ストレイツォが着ているマフラーは東南アジアにいる昆虫の腸で編んだもので、波紋を散らしてしまうからだという。

ジョジョは「波紋とかいうチャチな超能力だけにたよっていると思っているのか?」といつの間にかマフラーに大量の手榴弾を絡ませ、爆発させた!

ストレイツォはバラバラになった……のにもかかわらず、体の断片が集まり全身が構成されていってしまう。

ストレイツォは体が細切れになりながらも橋の上に登り、女性を人質にする。

「見知らぬ女のために闘えるか!」といったジョジョだが、ストレイツォが女性の奥歯を抜いたのを見て、「てめーッ 性根まで人間じゃあねえッ!!」とストレイツォの元へ向かう。

ストレイツォは目からの体液で攻撃するが、片目からの攻撃はジョジョはグラスで跳ね返し、ストレイツォの眉間にあたる。(片方の光線はジョジョの右肩を貫通したが大丈夫なよう??)

ジョジョはストレイツォを思い切り殴り、ストレイツォは橋の下に落ちてゆく。

ジョジョはその腕を掴み尋ねる。

「なぜスピードワゴンほか5人の死体を河へ捨てた?」「スピードワゴンの死体を河に捨てなければだれにも知られず済んだことなのによ……!」

ストレイツォは言う。

「いまにわかる……「柱の男」のことを!」「洞窟内の「柱」が遺体どもの流れ出る血をすいはじめたのだ」「不気味だった……「柱の男」が目ざめるようで……だから外へ運んで河へ捨てたのだ」

と言い、話はまだ半分だというジョジョを残して自爆する。

 

場面は変わって、ナチスの情報局。シュトロハイム少佐という人物が登場。

スピードワゴンが意識を取り戻したと彼の部下が言う。

 

スピードワゴンシュトロハイムは自白剤を飲ませ、柱の男や石仮面について話せと命令する。ヒトラーの命令で、柱の男を運んできて、人体実験をするという。そして、捕虜1人分の血を吸わせた。それを見て怯えるスピードワゴン。「ウヌボレ屋でもヤツを甘く見るな!」と叫ぶ。

そして血液を吹き出す柱。柱の男が甦った。シュトロハイムは「メキシコに吹く熱風」という意味のサンタナという名前をつける。

そして例の実験開始だ!と石仮面を被せた捕虜をサンタナのいる部屋に解き放つ。その捕虜は数日前まで病弱で歯もなく死にそうだった老人だという。

石仮面を被った捕虜はサンタナと一体化、そして取り込まれる。サンタナの餌は石仮面をつけた人のようだ。

 

一方メキシコに着いたジョジョ

何かに追尾されてるような気配を感じる。

するとローブ?布?から男が現れる。男は「ストレイツォの情報を聞くため我が軍の命令によってきさまを拉致する!ジョースターッ!」と叫ぶ。男はナチス親衛隊コマンドー、ドノヴァンとと名乗り、攻撃を始める。

ドノヴァンはカウンターをし、ジョジョにサボテンを殴らせる。ジョジョもやられてばかりでは無い。波紋でサボテンを破裂させ、全身にサボテンの針をドノヴァンに刺し、「口を割れ!」と話す。

ジョジョは「スピードワゴンは生きている、ナチスに囚われている」という情報を得る。

 

ナチスの情報局にたどり着いたジョジョ。どうやって入り込むか?

なんと!ジョジョは女装をしてテキーラ酒の配達なのよ!とゲートを通ろうとした。←😂

さすがに見破られる。

ジョジョ「くそっさ……さすがナチスだぜ!よくぞオレの女装をみやぶったな!」

兵士「マヌケッ!ひと目でわかるわーッきもちわるいーッ おまえみたいにデカくて筋肉質の女がいるか!スカタン!客観的に自分をみれねーのか バーカ」

この会話面白いかった🤣(感想)

 

一方実験室。

サンタナは消えていた。記録フィルムを見ると、そこにはせまい空気供給管に体を変形させて逃げていた。

空気供給管はシュトロハイムの部屋に繋がっていた。サンタナシュトロハイムの部下の体に潜り込む。体に入った部下の体は膨らむ。シュトロハイムと部下たちは撃つがビクともしない。そして、指先からシュトロハイムたちが撃ち込んだ弾丸を撃ちかえしてきた。

 

そしてそこに現れたジョジョジョジョは兵士の髪の毛を掴み抜くと、サンタナに投げる。サンタナ

「Hair(へ……ア……)」

と、知能を獲得したと思わせられらる発言で6巻は終わる。

 

ジョジョの奇妙な冒険 第5巻

ツェペリの死がありながらも、何とかディオの元に辿り着いたジョジョたち。

ツェペリの無念を晴らす、と弟子だったダイアーがディオを波紋法で攻撃しようとする。

が、気化冷凍法により、体を凍らせられ、バラバラの大量の氷の粒にされてしまう。

ダイアーは死に際に波紋入りの薔薇をディオの目に突き刺し、死に絶える。

投げた薔薇の棘は効果があると分かったジョジョは、波紋をブラフォードから貰った剣に伝わらせて切ると宣言する。

ジョジョは薔薇を大量に投げ、薔薇をはたいた隙をついてディオの腕、そして頭からディオを真っ二つにする。

だが、ディオは真っ二つになりながらもジョジョの剣と腕を凍らせ、ジョジョの頸動脈を掴む。

スピードワゴンジョジョを助けようとするが、ゾンビ達に阻まれる。

トドメの一言を叫ぼうとするディオに

ジョジョはこう告げる。

ディオ!勝ったと思うな!お前は今!ミスを犯しているんだッ!

フフッ それは僕の生命を吸い取るためにぼくの全身を凍らせていない事だ!

全身を凍らせれば「波紋」は流れないがしかし!おまえも「生命エネルギー」も吸い取れない!

それがおまえが犯している戦法上のミスだ!

そしてジョジョは近くにあった炎を出している球体(急に出てきたがこれはなんだ??)に剣先をあてがい、凍った体を溶かして波紋をディオにぶつけた。だが、再び手を気化冷凍法で凍らされる。その間ディオは真っ二つになった体を整えて復活する。

再び構えたジョジョは、手袋に火をつけ、ディオに拳を突きつける。

拳が入ったディオの体は溶け始める。最後にディオは自分の体液を目から光線のように出す。ジョジョはギリギリ避けたが危ないところだった。ディオの体は崖下にそのまま落ちていった。

しかし、例の東洋の売人は落ちて行くディオの首を回収してゆく…。

そして、石仮面はジョジョたちによってハンマーで砕かれた。

 

1889年2月2日

ジョジョとエリナは結婚した。新婚旅行にアメリカへ船に乗るシーンから始まる。しかしそこに暗黒の影が。

船の積み込みをする人たちが立派な箱(しかもWRRRYYYという声が聞こえる……これは?)を積み込む。東洋人が金を置いてこれを積めこめ指示されたという。

 

船の中にて。

エリナと食事をしていたとき、例の東洋の売人をジョジョは見かける。ジョジョはエリナに部屋に戻るよう言う。

一方船倉にて。

客の1人が、床板の隙間から船倉に十字架を落とす。それを取りに行った客は、ディオの首が入っている箱を見つける。

どんなお宝があるのだろう、と鍵を触った瞬間、客の頭が弾け飛ぶ。

そこに現れたジョジョ。そして同じく現れた東洋の売人は、ガラスケースに入ったディオの首を持っていた。

そして、ディオの首はジョジョの肉体を手に入れる、と宣言する。ディオの目から出た体液はジョジョの首を貫く。同時にエリナが現れる。

そしていつの間にか船はゾンビだらけとなっていた。エリナだけは!とジョジョは自分の首を取ろうと触れた東洋の売人に体内に残った全ての波紋を放出した。

波紋は東洋の売人(ワンチェン、ここで名前がでてきた)を操り、船のスクリューシャフトを止めるようにシャフトをワンチェンに掴ませた。

シャフトを止めるとどうなるか。ピストン内の蒸気の逃げ道がなくなり、圧力が高まり、船は爆破する。

虫の息のジョジョはエリナに、逃げるんだ、この船を爆破させると伝える。

エリナは貴方と共に死にますと答えてキスをする。

その時、赤ん坊が転がってくる。ジョジョはエリナに赤ん坊を助けて一緒に生きるよう伝える。

ディオはジョジョに取り憑こうとする。ジョジョはその首を抱きしめ、そのまま死に絶える。

1889年2月7日のことだった。

また、エリナにもジョジョとの生命が宿りはじめていた。

 

そしてこのまま第2部が始まる。

ジョジョの死から49年後、

最初に出てくるのは年老いたスピードワゴンアメリカに渡って石油で成功したという。そして老師トンペティの後継者ステレイツォとその一派。

彼らはメキシコに、遺跡発掘隊により発見された「あるもの」を見に行くという。そこにはミイラ、そして石仮面があった。

 

場面は変わり。黒人に財布を取られたジョジョに似た男。その黒人は警察に殴られていた。ジョジョ似の男は「その財布は彼にあげたものですよ」と伝える。警察はウソだろうとバカにし、鼻くそを彼の頬につける。ジョジョ似の男は喧嘩に乗る。そして、黒人が持ってたコーラの栓を触りもしないで警察の指をぐしゃぐしゃにした。そんな強い彼なのに

はっ!思わずカッとなってまたやっちまった!!

ま……まいったな……エ……エリナばあちゃんにしかられるぜ!

と怯えていた。

財布を盗んだ黒人は彼にコーラの栓のことを聞いた。ジョジョ似の彼曰く、子供のころから自然と触った動物を眠らせたり、出血をとめたりできるそうで、若くして死んだ彼の祖父も同じことを出来たという。父はパイロットで戦死、母親もいないという。

彼の名はジョセフ・ジョースターという。ジョジョと呼んでくれとのことだった。(第1部のジョジョジョナサン・ジョースター

 

場面は変わって遺跡発掘現場のストレイツォとスピードワゴン一行。スピードワゴン曰く、中には恐ろしいものがあるという。そこには、石柱と一体化してる「生きている」男とたくさんの石仮面があった。

ストレイツォはジョセフ・ジョースターは元気か?と聞く。

ここで回想場面に入る。

スピードワゴンが飛行機で誘拐された(ハイジャック)時のこと。一緒にいたジョセフ・ジョースターはハイジャック犯に顔を銃で叩かれ血をだす。

スピードワゴンジョジョは殴られたことよりもエリナさんに買ってもらった服が血で汚れたことを怒るタイプ!)←面白い🤣

ジョジョは怒り、パイロットを波紋で気絶させた。ここでスピードワゴンジョジョも波紋を使えると知る。

ジョジョ「よくもエリナばあちゃんに買ってもらった服を汚してくれたな!おまえらは殴りたおしただけでは気がすまないぜ!」

と飛行機を墜落させ、スピードワゴンパイロット、ジョジョだけは座席だけを飛ばして九死に一生を得る

 

回想はここまで。

気がつくと周りには調査隊一行が血を流して倒れていた。

ストレイツォは

この者たちは今わたしが殺した……

そして君が死んだら、当然ジョナサンの孫は悲しみ怒りこのわたしに恨みをいだくだろうな

(中略)

わたしは50年前の戦いの時ひそかにディオにあこがれあ……

あの強さに美しさに不老不死に!

わたしも石仮面の力が欲しいと思う!

老いた今!なにものをも超えた生き物となりたいと願う!

 

次の節。

エリナに見つかったジョジョは慌ててタクシーでスモーキー(先程の黒人)とエリナとレストランに向かう。

ジョセフは祖父や先祖について知ってることを回想する。

エリナは船の事故で夫を失い、船の事故の後身篭っていた男の子とその事故の時いっしょに助かった女の赤ちゃんが結婚したのがジョセフの両親との事だった。

 

レストランにて。

スモーキーが黒人なことに難癖を付ける客。ジョジョは怒る。エリナは「他のお客に迷惑をかけずにきちっとやっつけなさい!」という。

メリケンサックをつけた客はジョセフの身のこなしにより、帽子掛けにメリケンサックを当てて痛がる。

そこで現れた男。「子分の無礼をゆるしてください。(中略)裏の情報でまだこの国の新聞屋とかには知られてねえんだがスピードワゴンが殺されましたぜ……うわさでは。殺ったのはチベットから来た男。」

と告げて5巻は終わる。

 

V.T.R.

同じ部活のひとつ上の先輩が貸してくれた本。先輩は今年度(2022年度)で卒業しちゃうけど、また仲良くしてくれると嬉しいな。本いつ返そう。

 

イチ。T

この本は次の一文から始まる。

三年前に別れたアールから電話があった時、俺は裸で女と寝ていた。

また、続く文章で、俺(以下、ティー)には

彼女が5人いること、共に寝てた女はそのうちの一人であること、毎晩のように誰かと寝ていることなどが分かる。

また、アールや好きな女の子についての描写が細かく、かなり容姿や服装に拘りがある事が伺えた。

 

この章では、元カノであるアールから

「今からティーはアールの酷い噂話を沢山聞くことになる。だけどティーと暮らしてた頃のままアタシは変わっていないことを知って欲しい」

と連絡が来る。

 

ティーは、アールは良い女だったと思い返し、また彼女と話したい、アールと比べてしまうから他の女の子とは恐らく別れるだろうと考える。

 

この章の中で好きな表現を紹介する。いつかどこかで引用出来たら嬉しい。

電話のコール音は、三年前別れた時から変えてなかった。アールからの着信専用のメロディー。小さい頃に両親と死に別れた女には相応しい『子供の情景』の一曲・トロイメライ(シューマン作曲)。

クラシックとか有名な曲引用できるようになったらかっこいいよね。

 

何事にも例外ってのはあるし、だいたい自分が理想だって思ってる女像なんてのは、現実に付き合う女とは得てして一致しないものだ。

だけど、そっちの方がより深くはまっちゃったり、愛したりできるわけだから人間は不思議だ。

本当にその通りで、タイプじゃない人と付き合って意外と上手くいくってあるよね。私の場合は相手は男性になってしまうけれど、付き合った人はみんなイケメンだとか、好きな芸能人に似てるとか、スタイリッシュだとか、オシャレとか、全くそんなことは無い。(過去の付き合ってくれた男性たち、貶してごめんなさい)

でも、例えば最初顔立ちは悪いな、と思っても色んな表情を見ていくうちにその顔が大好きになったり、ダサい服着てても何か愛おしくなったりしてくるのはなんでだろう。

恋は盲目ってやつ?スピッツの草野さんだったらなんて言うのかな、こういう気持ちのこと。

 

俺は、アールに電話をかけた。だけど出なかった。(中略)電話が解約された旨を色気の欠片もないお姉さんのアナウンスが俺に伝えた。

このお姉さんは生きてる声なのかな。それとも機械で作ってるのかしらん。この人が自分の好きな男の前では怒って声を荒らげたり、泣いたり、よがったりしてるところを想像してみると少し気分が晴れた。何だか人間を好きになれそう、と思う。

(このお姉さんが生きてる人間ならば)仕事では、無機質な声でアナウンスをしているけれど、好きな人の前では人間らしく喜怒哀楽を表現していたらそれは確かに好感がもてる。

それを「何だか人間を好きになれそう」と表現する作者は上手いなあと感じた。

 

ニ。マーダー

ここで、いきなり銃を取り出すシーン。どうやら、ティーは「マーダーライセンス」という人を殺すことが許される特別免許を持ってるらしい。マーダーライセンス協会(以下、協会)が法の目をかいくぐってる悪人のリストを渡してきて、ライセンス所持者つまりマーダーが彼らを殺せば協会がお金を払ってくれるというシステムらしい。マーダーになれるのは1000人きっかりで、マーダーの誰かが死んだ時にだけ公募をかける。

 

ティーだけでなくアールも、マーダーでしかも凄腕だった。優秀だったアールの一方で、ティーはよくなぜマーダーになったのか、なれたのかをよく聞かれるようだ。

ティーがマーダーになった理由は祖父母と両親がマーダーだったからとあった。ティーが幼稚園の頃他の家族4人全員が仇討ちで殺され、協会はマーダーの募集をかけた。ティーは試験官側の同情心からか、他の人よりあっさりと受かった。

このような過去の経緯を述べて、ティーがバイクで街に出ていくシーンでこの章は終わる。

 

サン。テッド

街に出たティーは買い物をした後に、情報屋のテッドに公衆電話から電話をかける。

情報屋、テッド。数年前からこの街に住みついたケチな情報屋で、たまに仕事で世話になっている。はっきり言って、情報屋としては五流以下。遅いし、真偽のほどもよく確かめないデータを勝手に売りつけるような真似も平気でやる。今まで俺がかかわった情報屋の中でワーストワンだ。

どうやらティーはテッドのことを嫌いのようだ。優秀な情報屋ではないテッドだが、テッドがアールに惚れていて固執していたことを知っていたため、ティーはテッドにアールについての情報を聞くことにした。

指定したお店で、テッドは自慢話(多分虚構や見栄も入ってる)をする。

アールの情報を聞こうとすると、テッドは嫌な風に笑った。「随分変わっちまった」とテッドが言ったアールの情報は以下のようだ

・体をあっさり安売りしている。

・個人で売ってるだけではなく、家出娘や不良娘を束ねて会社のように売春させている。そうやって国の要人やお偉い方の相手をして荒稼ぎをしている

・トランス=ハイの一味のマーダーを殺している(トランス=ハイはこの時点では何か分からないがどうやらトランス=ハイの息のかかったマーダー殺しをしているらしい)

 

ヨン。殺し屋337

殺し屋『Trance High』(トランス=ハイ)の説明から始まる。トランス=ハイとは、詳細が一切不明のこの国ナンバーワン・マーダーでライセンスナンバーが337番の人だと言う。10数年前マーダー界にデビューして、その年の確定申告で、人殺し・傷害の数、利益成績全てで1位を記録した。以後、2位以下を大きく引き離して1位の座を守ってきて、組織や人と群れずに生活しているようだ。一方で以下のような特徴もあるという。

・女を殺さない。但し重症までは平気で負わせて生殺しする。

・生まれながらの殺し屋気質。生きて帰ってきた女性たちによると、とても楽しそうに人を殺すようだ。

・名前の由来。

最初はトランス=ハイという名前ではなく、マーダー番号の337で呼ばれていた。337はある時現場で遺留品として、血の海の上に真っ白い粉(依存性や健康被害が殆どない強い麻薬、トランス・ハイ)が遺されており、それが彼の名前の由来となった。

・ファミリーの設立。

大活躍だったトランス=ハイだったが、ここ数年急に1位から転落し、誰も殺さず、確定申告もしなくなった。代わりに席巻するようになったのが「トランス=ハイ」のファミリーたちだ。大ボスの名の元依頼を受け、代行で仕事をこなし、ボスと違って女も殺すようだ。

 

ここでトランス=ハイの説明はおわり、テッドとの会話に戻る。

テッドによると、今のとこトランス=ハイには犯人がアールだとバレていないとのこと。だが、確定申告の時期が近づいていることもあり、バレるのも時間の問題だ、アールは本当にヤバいとティーは思う。

テッドは「お前がアールと別れたりしなければこんなことにならなかった。お前を恨んでる。」と告げる。

ティーは銃をテッドに突きつけるが、テッドの一言が引っかかり気持ちが萎え、銃を下ろした。

テッドは

「お情けでライセンスをもらって、だけど満足に人も殺せない。腑抜けのマーダーじゃないか。なまくらの銃なんか持ち出しやがって、もうとっくに錆びてるだろう?」

と罵った。ティーは銃はJの特注品でなまくらじゃない、今逃げ切れば俺は撃たない、と告げ、テッドは逃げた。

 

ゴ。S

この章は、アールとティーがお気に入りだったポルカ・ドットというお店でのオーナーSとの会話のシーンから始まる。

Sは目が見えないらしいがそうは思えないほどの慣れた手つきでお茶を淹れながらティーと会話する。

テッドから電話があった、来ると思ってた、とSは告げる。

テッドは「ティーに殺されかけた」とSやJ、Sの目の先生であるYのところにまで連絡していたようだ。

S(女性)はJ(男性)の恋人でJは2階で工房をやっているらしい。

Sにティーはアールの様子を聞く。

アールは時々、Sのお店にきていたらしい。だが、半年くらい前から来なくなったと。

Sにティーは聞く。「お金を貸しましたか」と。Sは誤魔化そうとしたがあっさりバレる。しかもS含め周りの人にかなりの金額を借りてたらしい。

ここで、Sの過去の話に移る。Sは目が見えている時までは絵描きだったようだが、数年前酷いスランプに陥って死のうとした。1人では上手く死ねず、トランス=ハイに手紙を出して自分を殺すように頼みトランス=ハイはそれを引き受ける。

約束の日の夜、Sはベッドでトランス=ハイを待った。トランス=ハイは、部屋に置いてあったSの絵を見て、気が変わり、Sの目を壊して、去った。Sは約束が違う、と泣いた。もう絵は描けないと。

そんな時Sは今の恋人Jと出会った。可哀想なことに、Sは恋人Jや綺麗な顔立ちのアールやティーの顔も見たことがないそうだ。

 

アールと別れた時、Sにぶたれた。J、A、ドクターYはそれをとめなかった。

アールは

アタシと別れて、あなたはどうなっちゃうのかしらぁー?

底抜けに明るい大声で、去り際のアールは言った。目を細め、愛おしい男を見る目でまだ俺を見てくれた。大好きよ、ティーティー、だいすき。バカね、アタシのことが選べないなんて。本当にバカ。価値のあるものが何かわからないなんて。

アールと別れた原因ははっきりティーは覚えてない。ただし、浮気では無いことははっきりわかっている、とだけ。

 

ロク。J

階段をあがり、ティーはJと会う。Jと話の中で、ティーはJへの信頼と敬意を持ってることを伺わせる文があった。

たとえばもし、銃身の先端に小石が詰められていたとする。ひっかかっていたとする。そのまま発砲すると銃身が破裂して大怪我をする。場合によっては俺の頭が吹っ飛ぶような細工をすることだって、Jなら可能だろう。だけどね、俺はJが好きだから、絶対に銃の中を確認しない。(中略)

これってかなりの愛じゃない?中に何が入っていても受け入れる、至上の愛だよ。

J曰く、アールはデリンジャー(小型の銃)を150程半年前に買ったらしい。また、カードもアールの名義で数枚作る手伝いをし、カード会社から後に利用限度額を超えた上に未払いも溜まっていたという。

 

この章の最後にティーとアールの回想シーンがある。

俺、マーダーに向いてないと思うんだ。

付き合って間もない頃、アールに告白した。(中略)

大好きになったから、言わなくてもいい告白をついしてしまうはめになった。アールに俺の全部を知って欲しいとか、そういう不条理で恥ずかしい欲望がありました。告白します。

最後の段落を見て、人間やっぱりそんなもんなんだなと感じた。好きな人にはとことん自分のこと知ってほしいよね。私だけじゃなくて良かった。

 

ナナ。A

 

Aの家をティーが訪ねるシーンから始まる。

Aの家は電球も切れてる上に遮光カーテンで暗く、箱庭で溢れている。

Aは家から出るのが怖く、引きこもりだが箱庭療法を専門でやっている心理学者でセラピストという。しかも腕は一流という。

 

こいつの家は、どの部屋でも灯りがちょっと暗い作りになっている。病気になっちまうっての。俺はたまに来るだけだからいいけど、毎日この中で生活してるわけでしょう?

指摘すると、Aは微笑んで「大丈夫だよ」と答えた。

大丈夫かどうか、なんていうのは他人が決めるんだ。お前はちょっとおかしい。

大丈夫かどうかは、他人が決めるというのは斬新な発想。普通、大丈夫かどうかは本人が決めるのが正しいと思われることが多い気がするけど、その中でこのティーの発言はなんというか、自分をしっかり持ってるティーらしい。

心を病んでいるってのは、どこで自分を発散していいのかわからない状態なんだ。

だからそういう時にね、湿った砂や土の感触、手で直接触る感覚が大事になるんだ。すごく安心できて、自分のことを任せてしまえるようになる。箱庭を作る時は、そこですること全てが療法の対象だよ。

最初の2行はその通りかも、と思った。

病んでるととにかく意味ないのにTwitterとかに書き込んで発散したい自分がいる。

辻村深月さん、どうしてこうもわかるんだろうか。

 

また、Aには第2の顔がある。それは植物の品種改良―それでできたトランス・ハイの栽培だ。毒性と依存性のない薬物作り。それでAは稼いでいるようだ。

作ったばかりの麻薬「トランス・ハイ」が世に出始めた頃、Aの愛するうさぎを殺した(それがAの引きこもりの原因らしい)殺し屋337が現場にそれを残して去った。そのことで、自分の薬が広まった。Aは内心複雑だろうけど、1度だけ「あいつも人間なんだね。」とコメントした。

 

殺し屋337、トランス=ハイも薬物をやらないとやってられないような事情があるのだろうか……と考えてしまう。

 

最後はこの文章で終わる。

Aの幼少期に、ウサギなんか多分いなかった。俺はそれを知ってる。(中略)

理想のウサギはいなかったし、Aには過去やきっかけが必要だったけど、JやSのようなそれも持っていない。Aは自分でウサギを抱えることが必要だった。痛みを持たないと、それに依存しないと生きられない。

だからトランス=ハイに理想のウサギを殺してもらうことに決めたんだ。そうでしょ?A。自分で決めたんだよね。

「痛みを持たないと、それに依存しないと生きられない。」という一文が刺さった。

私も多分そう。私も心の中に「死んだウサギ」のようなものを飼っている。そうじゃないと生きていけない。自分が無くなる気さえしてしまう。この坩堝からどうやって抜け出したらいいのか、「死んだウサギ」を飼い始めて9年経ってもまだ分からない。

 

ハチ。ペロッチSUN215

ティーがAの家を出て、エデン(墓地とゴミ捨て場しかない山の名前)に向かう描写。

中でも特に、エデンは使われなくなったがまだ生きているロボットのゴミ捨て場を指してティーは呼んでいるようだ。

ティーはスクラップの中、「ペローッチ」と呼びかける。

戦車のゴミの上でアールが子の曲が好きだ、とトロイメライを歌っていた。ティーがアールからの着信音をトロイメライにしたのはそれが理由だとティーは思い出す。

「ペローッチ、いないのか?油差してやるぞー」

雨風が凌げる場所だ、と思いついてティーは戦車のハッチをあけた。中には、ティーの腰くらいの高さのロボット、ペロッチがいた。

 

ペロッチSUN215はアールのお気に入りだったロボットで、エデンでも1番の旧型ロボットだ。エデンは政府公認のロボットゴミ捨て場で、時々生きているロボットを始末する。

アールは、ここのロボットが大好きだったが、調子の悪いロボットに油を差してやったり、軽い故障を治すくらいはしても、絶対に燃料は与えないし致命的な故障は直さなかった。

政府のロボット清掃が入る時はアールは毎回エデンに寄り付かなかった。家でエデンの方向を気にしたり、砲撃の音に顔を凍りつかせたりはしていたが、決してロボットを家に連れ帰ることはしなかった。

ペロッチはSUNという名前がついている通り、燃料は要らず、太陽光を吸収して生きる。一方メモリーに障害があり、長い記憶がつづかなく、知能も低い。ただ、アールのどこに隠れたら長生きできるかなどの忠告はよく覚えてきた。

エデンの手前にある墓地は、死んだロボットたちのもので、ティーとアール、ペロッチで丁寧に墓を作ったものだ。

 

戦車から出てきたペロッチは白いムートンコートを着ていた。ティーはアールのものだと確信した。ペロッチの腹の部分の一部が顕になっており、それを接着剤で直そうとした形跡があった。コートはきっと接着剤がきちんと固まるように置いていったものだろう。

あいにく油を持っていなかったティーをみて、ペロッチは「ウソツキ」と怒り出した。ティーはアールが来たかを聞いたが、臍を曲げたペロッチは逃げて答えてくれず、ティーは山を降りた。

降りる途中、山のてっぺんから衝撃音が聞こえた。ティーはエデンへと引き返す。

そこにはマシンガンを持った政府ロボットがいた。ティーは政府ロボットに向けて、撃った。壊れて火をあげる政府ロボットの前に、動けなくなったペロッチがいた。

「お前ら今日、隠れてたもんな。俺が来たから出てきちゃったけど。今日、政府の処理日だったのか。悪いことした。」

「T」

(中略)

「R  ココニ キタ」

(中略)

「ペロチヲ タスケテクレタ ラ オシエテ イイッテ」

戦車の奥に帰ろうとするペロッチに「俺と来る?アールはいないけど」とティーは声をかけた。ペロッチは大好きなアールに会えるチャンスが無くなる、と迷う。

ティーはさらに、「すぐにここに戻してやる」「胸の傷だけきちんと直そう。直せるヤツ、心当たりあるんだ」

とJとSの話をだす。迷った挙句ペロッチは行くことを決めた。

ティーはアールが心配しないように、戦車の上に「ペロッチは修理に出します、ルールを破ってごめんね。」と伝言を残した。

アールごめんね。あんなにアールが耐えたのに、俺はアッサリそれを破る。最低です。責任感ないです。見たら、きっと怒るよね。ゴメンナサイ。俺、土下座するからさ。許してね。

(感想↓)

所々にアールを思い返す表現があるのがいいね、人が人を思う気持ち、綺麗だと思った。

 

ティーが友人からの以来で、エデンのオンボロロボットを壊した翌朝、ティーはアールに銃口を向けて殺してやると言ったことがあった。

ティーは五分五分の確率にかけ、アール、俺は君の男だよ、と言い銃を引く指に反応があった瞬間、アールを引っぱたいた。そして倒れたアールを抱きしめた。アールは暴れてベッドから落ち、大声で泣いた。ティーは元通り仲直りしてキスに持ち込み、ベッドの中で有耶無耶にするまでの長い時間、アールはティーを罵り続けた。

 

ここで、Jの元にペロッチを持っていった場面に変わる。修理をお願いし、ティーはお金がすっからかんになる。「キディちゃん」からの入金を期待するが、それはなかった。

 

キュウ。Y

この一文から始まる。

ドアを開けた途端、ドクターの顔が凍りついた。

※ドクター=Y

後の会話で明らかになるのだが、ティーインパクトを与えようと往診で不在のドクターの病院の窓ガラスを割って入ったという。

つまり、「ドアを開けた」のはティーではなくドクター。でも1文目から読むとティーがドアを開けたのかな?と思うよね。こういう表現上手いなあと思う。

 

ドクターは「(アールにドクターは片思いしていたのにも拘わらず、ティーとアールが別れて)どの面下げて来たんだ」と怒る。

ドクターはずっとアールに惚れているから、傷つけたティーを許せない。

 

ティーはドクターに、アールのことを教えてくれという。

ドクターは、ティーがアールを何とかするという条件の元、話すことに決めた。

アールは、1年ほど前から急に麻薬に溺れた若い女の子達を連れてくるようになったという。Aのところから持ち帰ったトランス・ハイで、依存性の強い女の子たちの麻薬を抜くために使っていたらしい。回復した女の子たちにはJのデリンジャーを護身用に持たせ、仕事をしてもらう。

そのうち、アールは、乱暴に抱かれた女の子や、抜けた麻薬をまた身体に流し込まれた女の子、更にはもう息を引きとる寸前の子、死体を連れてくるようになったという。プロだから見分けくらいつくだろうに。

 

Yはアールの事がずっと好きだった。何度もアールに告白しては断られていた。しかしティーとアールが別れた時という最大のチャンスを逃した。その時ならアールは靡いてくれそうだったのに。ドクターは、アールの弱みにつけ込みたくなかったとかそういう理由ではなく、ティーのことを気にして動かなかった。

ティーはドクターのためになにかしてあげられることはあるのか?どうやって気持ちを伝えるか?と考えているうちにアールは姿を消してしまった。ドクターが待っていたのはアールの回復ではなく、ティーがきちんと二本足で立てることだった。

 

最後にアールが来たのは2週間前だという。

最後にアールがドクターの所に来た時、Sの診療中だったという。目が見えないSは「アール?」と聞いた。アールは泣き出しそうになりながら首を振り、ドクターは違うとSに伝えた。アールは、Sを抱きしめようとしたが、できず、ソファに座り込み声を殺して泣いていたという。

 

ジュウ。VTR

ペロッチの頭の中に残っていたメモリーティーの元に届く。

ペロッチはアンティークマニアの間で取引されるようなもの、VTRを搭載していた。ペロッチの記憶と言えるものだ。

 

そのうちの一つの記憶。

ペロッチに向かってアールが呼びかける。ペロッチはアールの方に向かい…転んでしまった。

「R R コワレタ」とペロッチの声がする。

アールは泣きそうになりながら応急処置をし、「ペロッチだけは直して連れ帰ってもいいと思う時がある。でもそうなると、エデンの全ての子を直したくなり、全てを直せない自分が嫌になる。ごめんね。」とコートを着せた。

アールは戦車の上に乗り、驚くべきことを言った。「ティー」「ティー、愛してる。一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる」

 

そこでVTRは終わった。

ティーはしばらくそこから動けなかった。

アール、アール、アール。俺もだよ、アール。言葉にできないくらい。そのくらい、俺は君のことを。

 

アールの死体が見つかったのは、その翌日のことだった。

 

ジュウイチ。R

アールの死体は顔を潰され、手足の爪を剥がされて、指紋を焼かれ、裸の状態で海に浮かべられてた。身元を分からなくするための工作かと思ったが、歯はきちんと残されていた。歯型は身元の照合を可能にするものなのに残された。つまり、見せしめのためのようだった。

アールを殺した相手は彼女の死を見せつけたい相手がいたようだ。

 

死んだのがアールだと分かった途端、Yドクターは自分の病院に死体を引き取った。解剖も何もかも彼が面倒を見ると言い張った。

 

アールの体は傷だらけだった。顔を潰されたこと、輪姦されたこと、そういった酷いことは全て死後行われたらしい。

アールが死んだのは、ティーの家にアールが電話をかけてきた夜だったらしい。

知って言って欲しかったの。誰に嫌われても罵られてもいい。それを歓迎するわけじゃないけど、そこは諦めてる。仕方ない。でも、ティーには覚えていて欲しい。アタシは変わってない。

電話があったのはティーだけにだったという。

 

アールの死体が上がった日から1日後、同じ海岸でアールの着ていた黒いドレスと一緒に沈められていた銃が見つかったという。その銃には「TRANCE High」の刻印があった。

トランス=ハイが復帰の仕事でよりにもよって初めて女を殺したのだ。

 

いきなりの急展開。アールは死ぬことが分かっていたのだろうか。そしてトランス=ハイは何者なのか、なぜ殺したのか。

 

ジュウニ。Trance High

Jの所にティーが電話をかけるシーンから。

JとSは凄くRの死を悼んでいた。

アールはマーダー専用の破格の保険に入っていたという。その保険金で、借金が綺麗になるように分配された。

 

ティーはJに銃を注文する。お金は今ないが幾らでも必ず用意するから、出来れば明日中にと。

Jはティーに言う。

これは、全くの俺個人の意見で、だからら現場を知らないただの商売人の戯言だ。気にしなくていい。だけど、聞いてくれる?

(中略)

人殺しに、美学はないよ。

Jの父親は、トランス=ハイに背中を撃たれ、母親は耳を片方吹っ飛ばされたという。どうしてJは現場を知らないと言えるんだろうとティーは思う。

 

2日後、Jからの小包と、協会の会報が届いていた。

Jからの手紙には、二年前にトランス=ハイの銃が出品され、死にものぐるいで落札した恐ろしく美しい女がいたことが書かれていた。

協会からの会報には、アールの追悼特集と、キディちゃんが殺されたことが書いてあった。アールにだろう。

 

ティーは銃を持ち、外へ出る。銃の刻印は「Trance High」。

 

ここでどんでん返しだ…。「ティー」は「トランス=ハイ」のティーだったのか。名前すら伏線とは。

 

ティーは銃を見つめながら思う。

アール、俺は戻ってきた。人殺しを楽しんでしまうものはマーダーに向いているのか?ずっと悩んで出した結論だったのに、またここに戻ってきた。人殺しが楽しくて、それ以外のことに夢中になれない。そんな自分に俺は自分で腰が引けてしまった。臆病者で腑抜けのマーダー。

ティーのライセンス337番を知っているのは、アールとJだけだと言う。Jが全て止めてくれておいているから、Sは見えない目をただ恨むことが出来るし、Aは殺されたウサギを抱えることが、ドクターは人殺しどもを憎める。

 

感想

Aがウサギをトランス=ハイに殺されてないことを知ってる理由は、ティーがトランス=ハイだったからなのか…全て納得が行く。

 

トランス=ハイの銃が上がってきて一番驚いてるのはそれを捨てた当人たちだろうとティーはおもう。アールがそれを持っていたのだと。

 

トランス=ハイの名前をファミリーの名として拝借したいと、アールに殺されたキディちゃんの提示した条件金額をティーは歓迎した。

そして、マーダー稼業が嫌なら誰かに食べさせて貰えばいいの、というアールの言葉が続く。

 

アールを殺したやつをティーは絶対に追うと決める。

殺した人間の名前や利益、障害の数を報告する3月が来る前(今は1月)にアールを殺したやつを消さなければならないと決心する。

それは、トランス=ハイがこの世でただ1人だけ自分の手で殺した女、とアールが呼ばれるのが似合うと思ったから。

 

最後はこう終わる。

一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる。

 

殺し屋トランス=ハイは、生涯ただ1人の女を愛して生きていく。俺は目を開ける。新品の銃を胸から引き出し、息を吸う。

さぁ、始めようか。この世の地獄を見せてあげるよ。自分たちが目覚めさせてしまったものの名前を存分に知るがいい。

ロイヤルブルーのボディ、刻印の赤。俺の名前が刻まれる。光の下で、銃が輝く。

 

俺は君を胸に抱き、決して一人ぼっちにはならない。

 

感想。

アールが殺されたのはタイミングが良すぎる。アールは死に目を分かっていたのだろうか。そしてどうして2人はお互いのことが好きなのに別れてしまったのか…。

 

俺は君を胸に抱き、一人ぼっちにはならない、という最後の言葉も良かった。

 

好きな人が死んでも、胸の中で生かしてそれを糧にするという生き方もあるんだね。

 

EGOISTのPlanetesの

「約束だけが繰り返しても あなたの記憶に私はずっと生きてる」

という言葉を思い出す。

 

好きな人、大事な人と別れるのは寂しいことだけど、胸にその人を生かして生きる、そういう強い生き方をしたい。

自分の話だけど、最近別れを経験した。すごくお世話になったカウンセラーさん。親の介護で実家の広島に帰るという。

広島に関することを見聞きする度私は彼のことを思い出すんだろうな。

でも最後にこんな言葉を貰った。

「僕が居なくなっても沢山作品作ってね、汐雨さんの作品すごいから、後は貴方のやったことが巡り巡って僕や僕の娘を助けるなんてことが世の中にはあるからね」なんて。

お世辞かもしれないけど嬉しかった。

 

あなたから貰った言葉、決して忘れたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 第4巻

前回はこちらから。

ジョジョの奇妙な冒険 第3巻 - みずの備忘録

 

友達に4月頃、まとめて本を借りた。(2回目)

院試前で忙しかったり、気力が湧かない日が続いてやっと続きが読めた。

 

前回、ジョジョ(ジョナサン・ジョースター)の前にディオが蘇らせた伝説の騎士であるタルカスとブラフォードが現れるところで終わった。

 

4巻はその戦闘シーンから。「死髪舞剣(ダンス・マカブヘアー)」という髪の毛で剣を持ち、自由に操る技で、ブラフォードはジョジョを追い詰めてゆく。

死髪舞剣を避けたジョジョは崖下の湖の中に落ちる。水中では呼吸ができない、つまり呼吸法が使えないから、ピンチのジョジョ

水面に向かうかと思いきや、ジョジョは湖底に向かう。近くの地層で石炭が取れるこの湖底にはわ湖底と石との隙間に空気を閉じ込めたまま水没した石があると踏んだのだ。

その予想は当たり、ジョジョは一呼吸の空気を手に入れる。水中は波紋をよく伝えるため、ジョジョ波紋法でブラフォードに傷を……と言いたいところだが、素早く逃げたブラフォードにはかすり傷を付けただけだった。

 

一方ブラフォードは

ディオ様が……我に生命を与えくださりこの男と闘わせてくれたことに感謝とこの上ない名誉を感じる!

この男は勇者の素質十分!

と前世の騎士道への誇りを感じさせる発言をする。最大を尽くしジョジョと闘う決意をするブラフォード。

髪の毛の攻撃でディオの全身を絡み、身動きを取れなくする。

トドメの剣を刺そうとするブラフォードに、ディオはこれだーっ!と、剣を足で防御し、同時に波紋法で剣を通じ攻撃をする。

 

波紋法により、ブラフォードは傷を負うという人間としての痛みと高潔な魂を得て、ゾンビとしての肉体を滅ぼした。体が崩れながらも、ブラフォードは

フフフ……この「痛み」こそ「生」のあかし

この「痛み」あればこそ「喜び」も感じることができる

これが人間か……

 

奇妙なやすらぎをおれは今感じる

もうこの世への恨みはない……

こんなすばらしい男に

こんなあたたかい人間に最後の最後に出会えたから……

我が女王の元へ旅立とう……

と言い残す。さらに、ブラフォードは

ジョナサン……

このおれの剣に刻んであるこの言葉をお前に捧げよう!

Luck!(幸運を)

そして君の未来へこれを持って

行けッ!

PLUCK(勇気をッ!)

と「P」の文字を付け足した剣を渡して蒸発する。

ジョジョは、こんな誇り高い人物を狂気に変える石仮面、そしてそれを操るディオを許せないという気持ちをいっそう強める。

 

と、その後ろにタルカスが待ち構えていた。

タルカスは近くを通りかかったポコという少年を人質にとる。

タルカスは足元の崖を剣で崩す。崩して落ちた先には、騎士の授業場があった。

タルカスに嵌められ、ジョジョは首に鎖を付けられ、騎士の授業場の中に閉じ込められてしまう。

その部屋は双首竜の間、といい中世騎士殺人修練場のひとつだった。この部屋では、首に鎖を付け1VS1となって相手と戦い、相手の首にある自分の鎖の鍵を手に入れる、つまり相手の首を吹き飛ばした方が勝ちというデスゲームをする場所だった。ツェペリやポコ、スピードワゴンは、部屋の外で2人を見守るしかできない状態となった。

と、そこに、通風口として子ども1人入れそうな穴を見つける。ポコは怯えながらも町にいる家族を守る覚悟を決め、通風口に入る。タルカスにポコは一撃を食らうが

こ……こわい……の……はいたみじゃあ……ないぜ…………

と部屋の外への出口をあけるレバーを下ろした!

 

ツェペリは師匠に言われた

このまま修行を続けるならもう抜け出られん……

そなたの「死の運命」から!

(中略)

古からの死臭ただよう密室で……幼な子が門をひらく時!鎖で繋がれた若き獅子を未来へとき放つため!

おのが自身はその傷を燃やし!

しかるのちに残酷な死を迎えるであろう

という予言を思い出し、覚悟をきめる。

 

ツェペリは、鎖に体を半分にされながらも、究極の奥義を捧げる!と言い、ジョジョの手を握り、エネルギーを注ぎ込んで息絶える。

 

エネルギーに満ち溢れたジョジョは首の鎖を引きちぎる。

そして、圧倒的な力でタルカスをやっつける。

 

ジョジョは虫の息のツェペリと最期の言葉を交わす。

 

ディオを探す道中、ジョジョたちはツェペリの師匠トンペティとその弟子、ダイアー、ストレイツォと会う。

また、ポコの家では、ポコの姉がポコを探して姿が消えたことが発覚。

一方、ポコの姉はディオのゾンビに殺されようとしていた。ジョジョたちはゾンビを倒し、そして、ディオに地獄から戻ったぞ!と対峙するところで4巻は終わる。

図書館奇譚 村上春樹

先日、今の市に引っ越してきてはじめて、図書館までぶらぶら散歩しに行った。

全てが春のふんわりとした陽気で、図書館近くには野良猫がいた。

なんか、この日のことは忘れられないと思った日だった。多分死にたくなった時に懐かしくこの時を思い返すのだろう。

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図書館で探していたのは人類学の本だったがここにはなかった。そのまま帰るのも癪だったので、先延ばし癖がある私でも読める短編集を探した。その1冊がこれ。

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主人公の「僕」は本を借りに図書館に行く。

司書に案内された部屋に行くと、中には不気味な老人がいた。

老人に求めてる本の名前を伝えて、老人が本を持って来たところで「僕」は借りようとすると

「その本は3冊とも貸し出し禁止なんじゃよ」と言われる。

時間が遅かったため、「僕」は改めて本を読みに来ると言うと、老人は気分を害した。断るのが苦手な「僕」は本を30分だけ読んで帰ると伝えた。老人は満足し、読書室に連れていく。

ところが読書室までの道がおかしい。真っ暗な迷路のような地下階段と通路を通ってゆくと、漸く薄い黄色い光が漏れた部屋に辿り着く。

中には羊の皮を被った羊男がいた。代わって、羊男が先導して読書室に案内を始めた。また、道は迷路になっていた。漸くたどり着いた先は牢屋だった。老人は

「黙ってその中に入れ。そしてその3冊の本を全部読んで暗記してしまえ。一ヶ月後にわしがじきじきに試験をする。きちんと暗記しておったらここから出してやる」

と伝える。老人は反論しようとした「僕」に柳の枝のムチを振り下ろした。「僕」が避けるとそれは羊男の顔に当たった。老人は腹立ちまぎれにもう一度羊男を打った。

羊男がきのどくになった「僕」は大人しく牢屋の中に入った。

「ねえ羊男さん」(中略)「一ヶ月後に本当にここから出してくれるんですよね」

「いや」

「じゃあどうなるんですか」

(中略)

「うん、つまりさ、のこぎりで頭を切られるんだよ。それで脳みそをちゅうちゅうと吸われるのさ」

羊男がいってしまったあと、「僕」は牢屋で泣き崩れていた。いつの間にか6時半になっていた。

7時になると、見たこともないような美しい少女がワゴンを押して夕食を運んできた。

〈もう泣くのはやめて、ごはんをお食べなさいな〉

少女は幼い頃に声帯をつぶされ、声が出せないようだった。だが、不思議なことに声は胸の中から湧き上がるように聞こえてきた。

夕食後、「僕」は本を読み始めた。

9時半に羊男がやってきた。羊男に食事を持ってきた美少女のことを聞いたが、羊男は

「変だな。食事はおいらが持ってきたんだよ。その時君はぐっすり寝ていたんだぜ。おいらは美少女なんかじゃないよ」

と答えて僕は混乱した。

次の日の夕食時、また美少女がやってきた。

「君はいったい誰なの?」

〈私はわたし、それだけよ〉

「でも羊男さんは君は存在しないって言ってるよ。それに……」

〈羊男さんには羊男さんの世界があるの。私には私の世界があるの。あなたにはあなたの世界がある。そうでしょ?〉

〈だから羊男さんの世界で私が存在しないからって、私がまるで存在しないってことにはならないでしょ?〉

夕食を食べながら少女に過去のことを「僕」は話す。「家に帰らないとお母さんが心配しすぎる、小さい頃に犬に噛まれたから。それにむくどりに会いたい」と。

それを聞いた少女は、羊男と「僕」と少女の3人で、新月の夜に逃げようともちかける。

 

新月の夜、羊男がドーナツを持ってやってくる。

「やあ」「今晩ここから逃げ出すんだって?」

「どうしてそんなこと知ってるんですか」

「どっかの女の子が教えてくれたんだよ、すごく綺麗な女の子だったな。このへんにあんな女の子がいるなんて全然知らなかったよ。どうしてかな?きみの友だち?」

そして、羊男を先導に僕は逃げ出す。美少女は後から追いかけるという。

迷路の道を迷いそうになりながら、どうにか老人のいた部屋にたどり着いた先には、老人が待ち構えていた。老人の元には、昔、「僕」を噛んだ犬がいた。犬は血みどろになったむくどりを歯の間に加えていた。

老人「お前は犬に食わせる。心臓と脳味噌だけを取り分けてから、あとの体を好きに食いちぎらせるのよ。肉と血と骨で床がどろどろになるまてまな。」

そのとき、むくどりのからだが犬の歯のあいだで少しずつ膨らんでいることに「僕」は気がついた。むくどりは犬の口を大きく押し開けて、犬の口がさけた。老人はあわててむくどりをムチで打ったが意味はなかった。

〈さあ、今のうちに逃げるのよ〉後ろで美少女の声がした。僕は驚いて振り向いたが、後ろには羊男しかいなかった。

羊男と「僕」は逃げ出し、部屋を出て、閲覧しつの窓をこじ開けて、走り疲れて公園の芝生に寝転んだ。

ふと気がついたとき、「僕」はひとりきりになっていた。家に帰ると何事も無かったように母親もむくどりもいた。

そしてこの一文でおわる。

先週の火曜日、母親が死んだ。ひっそりとした葬儀があり、ぼくはひとりぼっちになった。ぼくは今、午前二時の闇の中でひとりきりで、あの図書館の地下室のことを考えている。闇の奥はとても深い。まるで新月の闇みたいに。

 

感想

羊男、少女、老人、犬は何者だったのか?むくどりはなんの象徴だろうか?少女は今にも消えそうな儚さがあるという描写があったが、死んだ「ぼく」の母親と関係あるのか。

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 第3巻

何とか不安定ながらも退院した。入院中に読めた本は2冊だった。

 

退院した今、続きの3巻を読む。

 

前回はこちらから

ジョジョの奇妙な冒険 第2巻 - みずの備忘録

 

冒頭:切り裂きジャックとディオ

場所はロンドン、切り裂きジャックが女性を殺すシーンから始まる。東洋の売人に車椅子を押されつつ、それを偶見つけたディオは切り裂きジャックに「素晴らしい力を与えてやる、今以上の快楽を手にできるぞ……悩みはもう何も無い」と呟く。

ジャック・ザ・リパー この殺人鬼はある日をさかいに犯罪をピタリとやめ……謎の彼方にきえる……

の一文で冒頭は終わる。

 

ツェペリ男爵とジョジョの出会い

エリナと散歩していたジョジョに付きまとう人物。彼は「よく生き残れたものだ あの「石仮面」の力から だが生きてるぞ 「石仮面」の男も!!」と叫ぶと共にジョジョのみぞおちに拳を入れる。

不思議なことに、複雑骨折していたジョジョの腕はすっかり治ってしまう。

不思議がるジョジョにツェペリは「君の呼吸が痛みを消したのだよ……そしてわたしは味方だ ジョナサン君」と答える。

ツェペリは「呼吸」が起こすエネルギー……つまり「仙道」を見せるため、水の中に立ち、呼吸法により波紋を起こした。

驚くジョジョにツェペリは

「石仮面を破壊するためにッ!石仮面を被った者を倒すためにッ!そのためにこの「仙道」を研究し体得したのだ」

「君はもうすでに「石仮面」と戦う運命にあるッ!この「仙道」を体得し学ばなければならんッ!さもないと死ぬッ!君もこのの全人類もッ!!」

と豪語する。

 

ツェペリの過去

ツェペリは学者の家に生まれ、ある時父親の遺跡発掘隊に参加した。メキシコのアステカ地下遺跡に行った際、ツェペリが石仮面を発掘する。その帰路の船の上で、石仮面を被った男が船上の人々を皆殺しにしようとする。

最後に生き残ったツェペリは、海に逃げたが、石仮面に追いかけられる。その時、朝日が出てきて顔を見たところ、ツェペリの父親だった。陽の光が強くなり、ツェペリの父は気化してツェペリは生き延びる。

 

ツェペリの過去を知ったジョジョは、自分と似ていることを知り、波紋の使い方を教えて欲しいとツェペリに頼み、ツェペリも快諾する。

 

呪われた町への道中にて

トンネル1本でしか繋がっていない、閉ざされた町にディオが潜んでいると聞きつけたジョジョ達は、町に向かう。

 

トンネルに入り暫く進んだところで、馬車に乗ったジョジョ達はゾンビ化した切り裂きジャックに襲われる。

ツェペリはワインを片手に波紋カッターで切り裂きジャックのナイフを受け止める。(*1)

自分が劣勢とみて、壁の抜け穴に逃げ込んでジョジョ達を誘い出した(元)切り裂きジャックを見てツェペリは、

グラスの中のワインをこぼさずに1人で切り裂きジャックのゾンビを倒してこい、さもなければ見捨てる

ジョジョに告げる。

 

明かりをけし、切り裂きジャックをさがすジョジョは、ワインの波紋をみて

このワインは波紋探知機だッ!

ふるえるぞハート!

燃え尽きるほどヒート!

そこだァーッ!吸血ゾンビッ!!

と波紋で攻撃をし切り裂きジャックのゾンビを倒す。

 

罠への招待

トンネルを出た一行。するとそこに、少年が不意打ちでツェペリのカバンを盗む。

ツェペリとジョジョは波紋を使って少年を捕まえカバンを取り返すが、少年の様子がおかしい事に気がつく。

少年は催眠術を掛けられていたのだ。と、そこで地面から大量の手が出てきて(正体は騎士のゾンビ)、崖の上にディオが現れる。

時間は夕暮れ時。ディオは地形といい時間と言い自分に都合のいい所を選んだのだ。

 

ディオは

この腹のキズを癒せばジョジョのやつに付けられた火事での負傷は全て完治する!

と叫ぶ。それを聞いたツェペリは

きさま…いったい何人の生命(いのち)をその傷のために吸い取った!?

と恐れおののく。それに対しディオはあの有名なセリフ、

おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?

と答える。ツェペリはおののきと怒りに震えた顔をする。

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https://www.underwater-festival.com/mgt00001/ より

 

闘いを始める、ディオとツェペリ。

既にツェペリのエネルギーは血液の流れがミソであることを掴んでいたディオは、仮面の力でツェペリの血液を凍らせる。

押されるツェペリ。トドメを刺そうとするディオをジョジョが止める。

ツェペリとジョジョは力を合わせてディオを倒そうとするが、ディオは血液を凍らせて2人を負傷・吹き飛ばす。

自分が出るまでもないと悟ったディオは、タルカスと黒騎士ブラフォードを呼び出す。

2人の正体は、16世紀エリザベス一世の暗殺を企てて斬首の刑に処せられたメアリー・シチュアートに仕えた男達の墓を暴いて甦らせた亡者であった。

腕の血液が凍って動けないツェペリに、スピードワゴン

溶かせばいいんだな!

その凍った腕をよォ!

と自らの胸にツェペリの腕を当てて腕を解かした。

スピードワゴンの勇気にツェペリは感動する(これまたいいシーン!)

 

ジョジョはタルカス達が巻き付かせて血を奪った髪の毛を焼き切り、タルカス達とどう闘うか!?という所で第3巻は終わりである。

 

*1…この時のスピードワゴンの顔が面白い。スピードワゴン、かなりいいキャラをしていて巻が進むにつれどんどん好きになっていく。

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