大学2年の冬休みから春休みにかけて読んだ小説。伏線回収が上手かったし感動した。
主人公は、雪科第五中の中一の安西こころ。こころはいじめがきっかけで不登校になってしまう。4月のある日、いつものように学校に行けず、自分の部屋にいたこころは、部屋の姿見が光っていることに気が付く。鏡に近付くと中に吸い込まれ、気がつくと西洋風のお城の中にいて、狼の面を着けた6歳程の少女「オオカミさま」が立っていた。なんと、来年の3月30日までの間に城の中のどこかに隠されている、「願いの鍵」を見つけたらなんでも願いを叶えられるという。他にも、自分と同じようにお城に招かれた中学生が6人いた。
7人は少しずつ打ち解けていき、他の6人も実は、不登校だったことが明らかになる。6人は一緒に遊んだり、たまにケンカをしながらも、部屋の鍵を探してく……というのが大まかなあらすじ。
伏線回収がすごいな!と思ったのは
・まず何より「オオカミさま」は実は死んだリオンの姉で、リオンの願いを叶えるために「城」を作った
・同じ日付でも6人それぞれ曜日が違ったり、話が噛み合わなかったのは、それぞれが違う時代から来ていたから
・アキとリオンとスバル以外の4人のところに来ていたNPOの不登校の子の支援教室の先生「喜多嶋先生」は実は未来のアキだった
など……
途中アキが母親の再婚相手の父に性的虐待を受けそうになったシーンや、こころの不登校のシーンを自分に重ねる(虐められてた訳では無いが、体の問題で私も学校に行けず、部屋でずっとぼんやりしてたことがある)など、辛い場面もあったが総じて良い本だった!